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松田 雅昌; 加倉井 和久; Yethiraj, M.*; 岡 邦彦*
Journal of the Physical Society of Japan, 74(5), p.1578 - 1581, 2005/05
被引用回数:3 パーセンタイル:26.63(Physics, Multidisciplinary)CaYCuOは辺共有CuO鎖を有する物質であり、低温において反強磁性相転移を示す。スピン構造は鎖内で強磁性的、鎖間で反強磁性的である。CaYCuOにおいて詳細な中性子非弾性散乱実験を行ったところ、鎖方向にはゾーン中心では鋭い磁気励起が観測されるが、中心から離れるにしたがって磁気励起のピーク幅の増加が見られた。さらに、高エネルギー領域でもう一つのブロードな励起モードを観測した。これらは古典スピン波理論では説明不可能な新しい現象である。
松田 雅昌; 加倉井 和久; 黒木 章悟*; 工藤 一貴*; 小池 洋二*; 山口 博隆*; 伊藤 利充*; 岡 邦彦*
Physical Review B, 71(10), p.104414_1 - 104414_8, 2005/03
被引用回数:13 パーセンタイル:49.91(Materials Science, Multidisciplinary)CaYCuOは辺共有CuO鎖を有する物質であり、低温において反強磁性相転移を示す。スピン構造は鎖内で強磁性的、鎖間で反強磁性的である。CaYCuOにおいて詳細な中性子非弾性散乱実験を行ったところ、鎖方向にはゾーン中心では鋭い磁気励起が観測されるが、中心から離れるに従って磁気励起のピーク幅の増加が見られた。また、この磁気励起の温度依存性,ホール濃度依存性について調べた結果、鎖に垂直方向の相互作用は温度上昇,ホールドープとともに減少するが、鎖方向の相互作用はほとんど変化しないことがわかった。さらに、高ホール濃度領域では、ホールの部分的秩序化を示唆する結果を得た。この結果から、高ホール濃度領域で見られるスピングラス的振る舞いの起源がフラストレーションによるものではなく、ホールの相分離により反強磁性クラスターができるためであることが明らかになった。
松田 雅昌
Proceedings of Workshop on the Perspectives in Single Crystal Neutron Spectroscopy (SCNS 2002) (CD-ROM), 6 Pages, 2002/00
CaYCuOは辺共有CuO鎖を有する物質であり、低温において反強磁性相転移を示す。スピン構造は鎖内で強磁性的,鎖間で反強磁性的である。CaYCuOにおいて詳細な中性子非弾性散乱実験を行ったところ、鎖方向にはゾーン中心では鋭い磁気励起が観測されるが、中心から離れるに従って磁気励起のピーク幅の増加が見られるという古典スピン波理論では説明不可能な新しい現象を見いだした。さらに、この磁気励起の温度依存性,ホール濃度依存性について調べた。その結果、熱揺らぎによる磁気励起のピーク幅の増加は鎖方向,垂直方向どらちにも同様に見られるが、ホールドープによる乱れの効果は鎖方向に特に顕著に見られることがわかった。LaCaCuOは上と同様の辺共有CuO鎖を有するが、鎖方向の磁気励起はゾーン中心付近でしか観測されなかった。これは上述のホールドープによる乱れか最近接と次近接相互作用間のフラストレーションに起因していると考えられる。
松田 雅昌; 山口 博隆*; 伊藤 利充*; Le, C.*; 岡 邦彦*; 水野 義明*; 遠山 貴巳*; 前川 禎通*; 加倉井 和久*
Physical Review B, 63(18), p.180403_1 - 180403_4, 2001/05
被引用回数:25 パーセンタイル:74.95(Materials Science, Multidisciplinary)CaYCuOは辺共有CuO鎖を有する物質であり、29Kで反強磁性相転移を示す。スピン構造は鎖内で強磁性的、鎖間で反強磁性的である。このことから、この物質は1次元強磁性を研究するうえで重要な物質であると考えられる。今回、この化合物の単結晶を用いて中性子非弾性散乱実験を行った。その結果、ゾーン中心では鋭い磁気励起が観測されるが、中心から離れるに従って磁気励起のピーク幅が増加することがわかった。この実験事実は、古典的スピン波理論では説明できず、量子効果が大きく関わっていることが予想される。この現象は1次元強磁性体における量子効果という点で新しく興味ある現象であり、今後、実験と理論の両面から研究が進展することが期待される。